XII
THE HANGED MAN
吊られた者
KEY WORDS
逆転の発想|高い精神性|成長|悟り|着実|スピリチュアル
STORY
空中から見下ろす逆さまの世界が
ぐらぐら揺れて、カラフルに色が混ざっていく。
歓声が遠くに聞こえる。
自分が望む世界にいられるなら
美しいと思う景色を見られるなら
この命なんて惜しくない。
勝手にカテゴライズしないで。
全てのルールを越えていく。
私はどんなものでもない。
私はどんなものにもなれる。
私が何者かを決めるのは、私の中の宇宙だけ。
―子供が子供だったころ
いつも不思議だった
なぜ私は私で,あなたでない?
なぜ私はここにいて,そこにいない?
時の始まりはいつ?宇宙の果てはどこ?
この世の生はただの夢?―
ピーター・ハントケ
FRAGRANCE
Violet&Rose buds
バイオレット&ローズのつぼみ
新たな世界の芽吹きを予感させる、愛らしいフローラルの香り
春の訪れを告げる、小さな花。
その愛らしい顔は少し照れたようにうつむいて
道ゆく人々はつい見落としてしまう。
厳しい冬を乗り越え
誰もが待ち望んだ春と一緒にやってきたのに、
いつも世界の端っこを彩っている。
存在を押し付けず、
かといって、見失われないように
あなたが呼べばいつもそこにいる
すみれの花。
そんなすみれの香りは、
おおよそこの世の贅を極めたであろう
マリー・アントワネットが特に愛していました。
夜会や国政に追われる王妃の真の望みは
全てから解放され、自然豊かな田舎で
愛する人々とひっそりと暮らすことでした。
世界の端っこが“中心”になったとき
どんな景色が見えるでしょう。
そしてあなたは、どんな感情を抱くのでしょう。
大地に頭を、大空に足を投げ出して。
そうしてやっと見える、すみれの顔。
いつもの場所からじゃあ
どんなにその顔が可愛いらしいか、
茎や根がどんなに力強いか、わからなかったはず。
すみれは、やっぱりちょっと照れながら、
けれどとっても嬉しそうに言うでしょう。
「やっと会えたね」