XIII
DEATH
死神
KEY WORDS
新たな始まり|再生|解放|カリスマ|恍惚|起死回生
大きな変容|官能|第二の人生|覚醒|輪廻転生|新展開
STORY
「死」とはどんなものだろう。
世界はそれを丁寧に丁寧に隠蔽しているようだ。
隠すのはなぜ?
見せたくないものがある?見てはいけないものがある?
全てのものは等しく終わりを迎える。
「終わりたくない」
執着にまみれて縋りつくけど
終わりを迎えるその瞬間、どろっと解けるような
光る恍惚を見る。
「終わりたくない」
それでも心のどこかで
またあの光に触れる瞬間を待っている。
「私」の境界が解け、ひとつになるあの瞬間。
そして、気づけば真新しい私が待っている。
脳裏に焼き付くのは、
目がくらむほど鮮やかな青い蝶。
―大空の圧倒的な輝きは死の輝きに他ならない。
大空の中で私の頭はふらつく。
頭がふらつくのは死の中よりも勝る場所はない。―
ジョルジュ・バタイユ
FRAGRANCE
Wine & Rose
ワイン&ローズ
真紅のツヤに溶ける、高貴なバラの香り
これはとっておきの秘密ですが、
「死」は体感することができます。
その方法はワインを味わうこと。
ワインが古ければ古いほど
より深いところまで体感できるでしょう。
誰もが恐れる死のそばには
いつも官能が伴侶のように寄り添っているのです。
年月を重ねるにつれ、香りと味わいを
魅力的に変化させるワインは
まるで1人の人生が飲み物になったよう。
その複雑で、気高く、やわらかな味わいに
身体中が泣いてしまう。
「決して気高さを失わない官能」が
世界中の好事家を虜にする所以です。
さあ、目を閉じて。
自分を忘れるのは怖いですか?
理性を失うのは怖いですか?
でも、そんなあなたが見たい。
あなたを知る人ほど、きっとそう言うでしょう。
ワインを包むバラの香りは愛の証明。
愛と美の女神ヴィーナス誕生の時、
神々はバラをつくって盛大に祝福しました。
暗く、恐ろしい一瞬の次に訪れるのは
白い光に包まれた新たな誕生です。
さあ、目を開けて。
新たな世界のヴィーナスは、あなた。