バレエの古典的名作「白鳥の湖」で

美しく可憐なオデット姫は

呪いによって白鳥へと姿を変えられてしまう。

 

オディール姫は悪の化身、妖艶な悪魔の娘。

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王子はオデットそっくりに変身したオディールを見て

オデット本人だと思い込んでしまう。

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正反対のはずのふたりをなぜ王子は間違えたのか。

見た目しか見ていないお馬鹿さんだから？

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きっとふたりは本当に似ていたのだ。

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コインの表と裏のように可憐さや清楚さの裏には

妖艶さや誘惑、悪の香りが潜んでいる。

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「清く正しく美しく」

そんな風に生きようとしたあなたがいれば

​同じくらいあなたの中に悪魔も育まれている。

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どれほど見ぬふりをしていても。

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悪魔は自由で奔放で、欲望と感情の塊だ。

それはときに人生を変えてしまうような

強烈なエネルギーをもたらす。

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鏡の中に閉じ込めた、悪魔の声に耳を傾けて。

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私の出番よ。早くここから出して。

すごいところに連れて行ってあげる。

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―絶望は、優雅を生む。
そこには、どうやら美貌のサタンが

一匹住んでいる。―

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太宰治​

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