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アートボード 1_300x-100.jpg

 from NATSUKI

タロットカードをテーマにして

絵を描くことが決まったとき、

どれから描いていくかyoutubeの生配信で

カードを引いて決めようということになった。

まずは3種類ということで
MARIAさんが​大アルカナのカードを

1枚ずつ引いていった。

目撃した方も多いと思うが

ランダムに引いたはずのカードが

「0.愚者」

「1.魔術師」

「2.女教皇」

と立て続けに出たのだった。

あまりの偶然にみんな悲鳴を上げていて

私も画面を見ながら怖くて

ガタガタ震えていたのだが

妙に冷静な頭の中で

「きっと『愚者の旅』がテーマになるんだな」

と考えていた。

意外にもプレッシャーは感じなかった。

やるべきことが見えたような気がした。

絵は1枚ずつ順番に仕上げていった。

私も「愚者」として

世界を旅するような気分だった。

「愚者」は全ての可能性を内包している。

ある意味では万能の原点にいる。

しかし彼女はまだ実際には何もできない。

何も持っていないからだ。

「何か作れる道具が欲しい」

そう願うと、次のカードへ進む。

「魔術師」だ。

全てを生み出す4つの道具を手に入れる。

やった!これでなんでも作れる!

…でも、一体何をつくればいいんだろう?

「何を作ればいいか知る方法が知りたい」

そう願うと、また次のカードへ進む。

「女教皇」。

女教皇はミステリアスだ。

すぐには答えを教えてくれない。

あなたの内面にヒントがあります。

それだけ教えてくれて、あとは黙っている。

​「人の内面の世界を探求したい」

そう願うと、女性性としての「女帝」

男性性としての「皇帝」

人間社会で最高位である「教皇」

それぞれのカードに出会う…という風に。

まるで人生そのものだと思った。

突然この世界に産み落とされ

わけもわからないまま

とにかく生きなければならなかった

生まれたての私たち。

「これはなんだろう?」

知りたい。

「これは?こっちは?この先は?」

知りたいという願望が生まれるたびに

少しずつ歩みを進めて、その度に新しい世界が現れて

夢中になったり痛い目にあったりしながら

今日ここまで歩いてきたのだ。

「知りたい」「やってみたい」を

心のどこかから湧かせている存在が

「愚者」の正体なのだと思う。

私が生まれた瞬間に、もしかしたらその前から

愚者の旅は始まっていたのかもしれない。

この世にはありとあらゆるものがあって

ほとんどのものは作ることができるし

制御したり支配することもできる。

でも「愚者」の存在がなければ

​生きている意味がない。

「知りたい」「やってみたい」と思う心がなければ

​この世界は物質の集合体でしかない。

他人から、社会から、ときには自分から

行動を制限されることがある。

どれだけ身体を、動きを制限されても

愚者から湧き出る好奇心は

誰にも止めることができない。

生まれてからただの1秒も絶えず

延々と湧き続けている。

​おそらく、全ての人の中で。

伝統的なタロットの世界の中では

現実的なことや実行することは男性

内面的や神秘的なことは女性

というボーダーが引かれているように感じた。

やはり女性側が

日陰に追いやられているような気がして

なんとなく気持ちが悪かった。

スピリチュアルに向き合うツールだからこそ

実際に現実を動かすための

ヒントになってほしい。

eightのコンセプトに強く共感していた私は

カードの中のキャラクターは

全て「女性」のつもりで描いた。

性別なんかはどっちでもいいのだが

高位の象徴である教皇や

権力の象徴である皇帝などを

女性のキャラクターとして見せることで

力強い魅力的な女性像を

​描くことができると思ったからだ。

ジェンダーロールという言葉があるように

社会にはこれは男の役割、

これは女の役割と分けるような意識が

無自覚のうちに働いている。

そういった制限を外していけるように、

どんな人の中にも

強さや柔らかさ、怒りや恐怖

美しさやときめきがあり

そういうものすべてが

その人らしい魅力となることを

伝えるべきだ、と

カードの中のキャラクターたちから

言われたような気がしている。

最後に。

この機会をいただいた

MARIAさん、ASAHIさん

eightという存在

イベントに関わっていただいた方

身近なところでサポートしてくれた人

作品を手に取ってくださった方

​少しでも興味を持ってくださった方

「やりたい!」と心の中で叫んでくれた

私の中の「愚者」

心から感謝しています。

素晴らしい経験をありがとうございました。

これから続くあなたの美しい毎日に

​寄り添えるものになりますように。

​NATSUKI

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